本ウェブサイトに掲載されている内容は、LFSが土台になっています。
LFSとは、Linux From Scratchの略で、スクラッチでLinuxシステムを構築しようという試みです。 具体的には、カーネルやその他のソフトウェアをソースからビルドすることで、Linuxシステムを構築しようというプロジェクトです。
2007年頃のことだったと思いますが、筆者はLFSが配布する文書でLinuxシステムの構築方法を学び、実際に小さなシステムを構築しました。 LFSの通りでは勉強にならないと思い、自分用にカスタマイズした手順書を作り、当時の最新のカーネルに最新のソフトウェアを組み込みました。
その後は、数年に1度の頻度で、最新のカーネルやソフトウェアに合わせて手順書を改訂してきました。 1年程度で改訂したこともあれば、5年ぐらいサボっていたこともありますが。
本ウェブサイトの元になっているのは、その手順書です。 その結果、本ウェブサイトの掲載内容は、『LFSに似ているけど違うもの』になっています。
なお、本ウェブサイトの記事の執筆にあたり、手順書は改訂してあります。 執筆時点の2015年での最新のカーネルおよびソフトウェアを使用するようにしてあります。
LFSは、『独自のLinux系OSを作りたい』と考えている人にとっては、とても優れた素晴らしい教材です。 ただし、要求される基礎知識や経験が、やや高いように筆者は感じます。
また、LFSでは、開発機に用いる既存Linuxディストリビューションは指定されていません。 Fedoraでもいいし、Ubuntuでもいいし、Linux Mintでもいいし、Vine Linuxでもいいのです。
そのため、開発機の開発ツールのバージョンが、使用するディストリビューションによって異なることになります。 結果、使用するディストリビューションによっては、LFSの示している手順で作業をしているのにエラーで進まないということになります。
また、LFSでは、作成したLinuxシステムを配布する手順については書かれていません。 自分が使用しているハードディスクにLinuxシステムを構築し、それを使うことが前提であるためです。
LFSには、以上のような特徴があります。 そこで筆者は、『LFSとは別の文書が存在してもいいのではないか』と思い、このウェブサイトを制作することにしました。
本ウェブサイトでは、LFSでは解説されていない部分についても、できるだけ細かく解説するよう心がけています。
また、開発機として利用するLinuxディストリビューションを、Fedora 23に限定しています。 解説されている通りに作業したのにエラーで進まないということを、極力防ぐためです。
さらに、本ウェブサイトでは、構築したLinuxシステムをCDから起動できる状態、つまり、Live CD化する手順についても解説しています。